今年平成23年のお盆ウイーク

  

 私たち霊園は、花の卸値がお盆に向けて高くなる週を「お盆ウイーク」と呼ぶことにしています。各年の具体的な日付は霊園新聞にてお知らせしています。今年は7日の日曜日から16日の火曜日まででした。花の卸値が高くなるだけでなく、そこに高野槇の枝が加わり、蓮の蕾か、蓮の実とかも加わって、一挙に値段が高くなるのですね。でも蓮の蕾は、お盆のかんかん照りの中、半日供えるだけで真っ黒に変色します。いくら地域の慣習とは言え、そんなにすぐ変色するものを加えて高く売るのは感心しません。昨年は蓮の実にしました。しかし霊(みたま)に供える花としては華やかさに欠けると思い、今年は思い切ってピンクの蓮の蕾を造花で作ってもらい、線香蝋燭燐寸セットを付けて、一対2300円で販売させていただきました。このウイークの花は造花を合わせ、約400対買っていただきました。この花の収益も霊園運営には必要不可欠であり、お客様にはお手紙で霊園管理棟にて墓花を買って下さるようお願いしておりますが、今年の花の持込率はようやく8割を切ったようでございます。

 堺東に本社がある葬儀社様が運営から供養までなさっている永代供養墓と、霊園が運営する2つの永代供養墓が、堺市美原区にある美原ロイヤルにございます。羽曳野市にある第二霊園の美原東ロイヤルにも一箇所に2種類の永代供養墓がございます。永代供養墓とは、この後、お墓守がいらっしゃらなくなるお家のお墓として、霊園が代わって故人様を供養させていただく、という趣旨のお墓です。ですからお盆にはお寺様をお呼びして、読経による供養を霊園が運営する三箇所四種類の永代供養墓の前でさせていただきました。霊園施主は神道系の宗教法人ですので、普段から「○○家先祖代々親族縁族一切の霊位」と霊牌に書きながら、お墓を使用なされる両霊園全家のご先祖のご冥福を祈らせていただいておりますが、盂蘭盆もお彼岸も仏教の供養行事であり、お客様も仏教徒が多いものですから、その方がきっとお喜びに成ると思って、お寺様をお呼びしている訳なのです。

しかしいつも驚くのは、お墓守がいらっしゃらないからご購入いただいた、と思っているのに、いざ霊園にて永代供養墓にてお盆や彼岸の供養行事をするとき、驚き、また嬉しく思いますのは、実に大勢の遺族の方がその行事に参列下さることでございます。美原東など、来年は参拝者の日除けのテントを更に増やさなければならないようです。家族が亡くなるとお墓を建てて、そのお墓を家族で一緒にお参りする、それは素晴らしい日本人の文化です。自分たちが不自由なく暮らせるのは、皆、ご先祖のお蔭、とご先祖に感謝する心、自分が独力で生きるのではなく、活かされているのだと思う心に、道徳心の原点があると思います。あの東日本大震災への、我慢強い、冷静な日本人の対応を見て、世界の人々は日本人の道徳心の深さに改めて感心しました。お墓参りには、どんなに小さくてもお子様をお連れ下さい。お子様は親の背中を見て、きっとこの素晴らしい日本の文化を後の世まで伝えて下さる筈でございます。