山本良一先生の講演会を開催する

 私が所属する大阪の栄える会(谷口雅春先生の生命の実相哲学を学ぶ産業人の会)主催の繁栄ゼミナールが、11月7日午後、上本町の生長の家大阪教化部会館で、人類の文明の発展によって排出が増大するCO2が原因で起こる地球環境破壊に早くから警鐘を鳴らしておられた東大名誉教授の山本良一先生をゲスト講師にお呼びして開催されました。私は今年8月29日に全国栄える会の東海ブロックが、山本先生の講演会を開催したときにも、名古屋まで聴きに行ったことはブログの中でもお話しいたしました。

 先生の論点は、温室効果ガスCO2の排出増加から生じる平均気温の上昇を、何とか2度の範囲で止めなければならないということです。つまり2度の上昇がポイントオブノーリターン、それを超えたらもう戻れない限界点なのだと。このまま放置するなら20年内にその日は確実に来るのだと。2度上がるなら熱帯地方の農耕生産量が極端に落ち、世界の食糧不足は極度に深刻になり、海面上昇も際だって来るから世界の沿岸都市部にも深刻なダメージを被るだろうし、食糧不足や住環境の急変化から地域戦争が起こる危険性も高まるのだと、更に気候変化による集中豪雨や河川の氾濫による生活環境の破壊も考えられ、地球の平均気温を2度上げることは人類の破滅に繋がるのだと主張されています。

一方、地球環境問題を早くから提起されてきた生長の家総裁、谷口雅宣先生は、10年前の「生長の家・環境方針」の基本認識として、「・・・今日、吾々人類に必要とされるものは、大自然の恩恵に感謝し、山も川も草も木も鉱物もエネルギーもすべて神の生命、仏の生命の現れであると拝み、それらと共に生かさせて頂くという宗教心である。この宗教心にもとづく生活の実践こそ地球環境問題を解決する鍵であると考える。」とお示しになっています。

 地球環境問題と宗教が何の関係があるのだ?と疑問に思う方が多いかもしれません。例えば科学技術を発展させ、省エネの家電や車などを作ればCO2は減らせるだろうと安易に考えがちですが、実際省エネの冷蔵庫やテレビが出来ても、日本人は更に大きな冷蔵庫や画面の大きなテレビを買い換えてきました。いくら省エネのハイブリッドの車ができましても、休みの日にガソリン代が減ったからと今まで以上走り回ればCO2の削減には繋がらないのです。つまり地球環境の問題に取り組むには、人間は結局自分自身の欲望の抑制に立ち向かわねばならないということなのです。地球環境問題を解決する宗教心とは、欲望の抑制、欲望や執着を捨て去る心だ、と生長の家・環境方針は言いたいのだと私は理解しています。