善き願いは必ず叶えられる(その1)

 いよいよ明日7月6日、「美原東ロイヤルメモリアルパーク」第二期墓地申請地の竣工検査の日を迎えることになりました。これで前々から購入していた全ての土地を霊園にすることが認められ、平成19年のオープン時から面積は四倍に広がり、ようやくここに美原ロイヤルの第二霊園が完成する訳でございます。

父が亡くなった後、二代目の霊園経営者となった私は、墓地使用者の皆様に喜んでいただきたいとの純粋な一念で、設備の改善・充実に力を入れて参りました。そんな効果もあったのでしょうか、加えて付近に南阪奈道が開通し、インターチェンジ「美原東」が出来たお陰で、順調に墓地使用率は高まって行きました。私は事業にすっかり自信を持つようになり、怖いもの知らずで、平成16年には早次なる霊園の開発にとりかかっておりました。

第二霊園の開発を思い立ってから、あっと言う間に6年もの月日が流れました。振り返れば私の願望が成就するために、どれだけ多くの人が私に力を貸して下さったことでしょう。今ここでご恩がある方々にどんなに感謝しても、感謝したらない気がしてなりません。しかしながら、人の願いはいつも叶えられるものではない、と言った方が多くの方には賛同いただけるのかもしれません。それでも私は、願いというものは、常に強く持ち続ければいつか必ず叶う、と信じているのです。そしてキリスト教の教えにも、仏教の教えにも同じような意味のことが説かれています。しかし今その話はいたしません。

願いは叶うと言いましても、どんな願いでも叶うのではありません。前回にも申しました通り、人間は体の中に無数の器官があって、それらがうまく機能し合って一つの生命システムを形成しています。それと同じように個々の人間も、社会という一つの共同体を構成するそれぞれの役目を担っています。ですから願望が全体を構成する個の使命から外れたものならば、成就しないのが自然の掟なのであります。即ち全体を構成する個の使命を果たしながら、その中での正しい願望を成就するには、それとは矛盾する個の迷い心、あるいは執着心を放たなければならないことがあるのです。

 南阪奈道が開通して間もなくのこと、沿道の山林の地主さんから、その土地での墓地開発を薦められたのです。価格は買う方で決めたら良いとの好条件でしたから、私はその話に飛びつきました。しかしひとつ欠陥がありました。実はその土地は南阪奈道とは接せず、その間に10メートル幅の府の公社の土地が連なっていました。開発用地としては致命的な欠陥です。しかし嘗ての美原ロイヤルの開発時も、絶対不可能と言われた地元住民の同意書でさえ入手できたのですから、諦めずに努力すれば解決できない問題は無いと果敢にその土地での霊園開発に取りかかることになりました。

測量をし、周辺地主さんとの境界確認を進めながら、公社や土木事務所に何度も通って進入路確保の交渉を続けました。その甲斐あって半年後、地元自治会様の思わぬ助太刀をいただき、どうにか進入路の目途が付いて参りました。ところがここで予想外の事態が立ちはだかります。翌年つまり平成17年2月1日をもって美原町と堺市が合併することになりました。いま開発を計画する土地は美原町内。堺市と言えば,聞くところによると民営霊園の開発申請は受理しないと決めている自治体です。大阪府は、府の行政権から離れるこの土地での霊園開発の申請受付は、合併3カ月前に締め切りたいと宣告しました。残された時間は30日余り・・・。