善き願いは必ず叶えられる (その9)

 谷口雅春先生が創始なされた「生長の家」の御教えの中に、根本教義と言われる「汝ら天地一切のものと和解せよ」の御言葉から始まる「大調和の神示」(神示とは創始者に天降った神の御言葉という意味)というものがあるのですが、私はその中に人間を天下無敵の勝利者・成功者に導く哲学が凝縮されていると考えています。神示には「天地万物と和解せよとは、天地万物に感謝せよとの意味である」とも謳われています。

私はその教えに従い、自己の願望を通す為に相手を説得しようとは思わず、また墓石屋さんが勧めてくれた問題解決への方便やテクニックも用いず、ただ府のご指導に心の底から感謝しながら、その方針に素直に従い、墓地代を貯めて行こうと思い立ったところ、新霊園の開発用地を購入した時に、一旦は少なくなった資金が石材店さんたちが協力して下さって墓地販売を全力で促進いただいたお陰で、12月末から年が明け、平成19年の1月末、2月末と次第に資金を貯めて行くことができました。

 さて問題は、取得単価の高額なこの申請地と道路から隔たった単価の安い700坪の土地とを接合して平均単価を下げなければならないことでした。その為には、この二つの土地をひっつける接続道路の取得が必要でした。その道路用地として、最初に霊園開発用地として目を付けていた十人余りの親族で共有される土地から、今度は全部ではなく、こちらが要る分の36坪を分筆して分けていただく交渉を不動産屋の大槻さんに依頼しておりました。こちらの都合を地主さんに押しつける困難な交渉であるのに、それを地権者全員に承諾してもらわなければならず、常識的には成功確率がゼロに近い交渉でした。

地権者の一軒一軒の再度の訪問が始まりました。今度は僅かな面積だからと賛成して下さる方もいましたが、あの親族が賛成なら私は賛成できないと昔の親族内の揉め事を思い出しては感情的になる方もいて、一向に埒が明かないのでした。私はそのようなことも大調和の神示が説く通り、和解が解決の鍵だと思い、大槻さんには親身になってどんなお話でも辛抱強く聴いてあげて下さいとお願いし、ご一族の和解が進むように祈っていました。

 3月になって提出した銀行預金の残高確認証を見て、府は霊園の当座資産が新霊園の開発を許可するに充分な額に達したこと、そしてその他の許可への諸条件も総て充たされたことを認めて下さいました。そしてその月末には知事から開発申請の許認可を戴きました。このことも私には大きな喜びでしたが、同時に私はもうひとつの更に大きな喜びを噛みしめておりました。

36坪の接続路用地について、なんと十一名の地権者全員に同意して頂き、開発許可をいただいた前月には、私の方で測量し、分筆するという条件で、売買契約を結ぶことができていたのです。私は驚きのあまり、頭を下げて謝礼の言葉を述べようとしたところ、大槻さんは手を振りながら、次の様に言われました。「私が話を纏めたのではありません。今回のことはまるで奇蹟でした。私は今でも身震いするくらいです。霊園代表には神様が味方しておられるようです。そうでないとこんな奇蹟が起こる筈はありません。」

(画像は平成19年春の彼岸の美原ロイヤルでのスナップです。)