事業の理念と使命と指針

 鈴木大拙氏の表現方法を拝借して、倫理性や分別がある「精神」を超越した「霊性の自覚」をもって事業をするなどとは、神や仏の教えを学ぶ途上にある者が口にすることではないかもしれません。なぜなら私の宗教への理解が未熟であるのと同時に、「霊性の自覚」という以上、それは悟りが行動の面に現れる状態を言う訳ですから、私の行動を信仰の道に照らして考えるならば、正直恥じ入るばかりだからです。

 さて、他人(ひと)への愛をもって仕事をするということは、自分と他人が「共通的生命」によって繋がれ、その本質を一つのものと認識して仕事をするということです。ですから、「共通的生命に生きよ。隣人と共通の歓びを生きる仕事をなせよ。そこから来る歓びは無限だ。(谷口雅春著「生命の実相」頭注版第7巻178頁)ということになるのです。そのようなことをいろいろ考えまして、私の事業は「南大阪で一番快適に墓参ができる霊園」であることを「理念」(理想)に掲げたという訳でございます。

 しかしこのような抽象的な「理念」だけで事業を行動に移すことはできません。それにはその「理念」を具体化する行動指針が必要になります。ただしその前に事業が果たすべき社会的使命を認識しなければなりません。では私の霊園事業の使命は、と申しますと、第一義的にはお客様のご先祖の霊供養のお手伝いに尽力することであり、又霊園施主としての使命は、被葬者の霊魂の供養に尽きるでありましょう。加えて考えるべきことは霊園事業には何にも増して永続性が求められ、苟も霊園を事業とする者は、未来永遠に経営を安定的に続ける使命を忘れてはなりません。

 理念と使命を確定したら次に事業の指針を掲げてみましょう。先に掲げた理念を具体化し、社会的使命を果たすために私の霊園では以下の4つの指針を掲げました。

①墓埋法、条例、行政指導に従い、約款に沿って経営する。
②快適な墓参の為に弛まず霊園設備の充実を図る。
③墓参者が参加しやすい霊供養行事を定期的に開催する。
④無駄な経費を節減し、弛まず基金の増加を図る。

 これを具体的に年次計画に表し、計画に従い事業を進めて参ります。幸いにもこの事業は、大阪府という監督官庁によっての許認可事業でありますから、大阪府さまも霊園施主側に経営の安定化のためにと、いつも親切に的確な助言を下さっています。美原ロイヤルのホームページのトップ頁にあるフラッシュで霊園の画像の上に映し出される企業理念のテロップは以上のような作業過程を経て出来上がったものです。