霊園のお盆ウイーク

 私たち霊園事業に携わるものにとって「お盆ウイーク」とは、墓地を求められ、お墓を建てられたお客様が、たとえ普段ご多忙に委せて墓参をご無沙汰されていようが、少なくともこの時ばかりは、汗を拭き拭き、お墓参りをしては、ご先祖への報恩感謝の心を思い来たそうとされる厳粛な期間であり、正にそのために私たちの仕事の真面目、即ち本来の真価を示す期間であると言っても過言ではありません。

しかし墓参客様が集中して来られますと、アルバイトを雇い、墓参送迎バスの台数を普段の何倍にも増やした上に臨時増便まで運行しなければなりません。駐車場が一杯になりますから車の整理に警備員も雇わなければなりません。また美原ロイヤルの墓参客休憩所では普段から無料のお茶を提供していますが、この期間に用意するお茶のティーパックと紙コップの量は想像を絶する膨大な量となり、また後で区役所に持て行ってもらうゴミの量も大変な量となります。

このように墓参客様が集中していらっしゃると、就業者の労働は過酷なものとなり、霊園の運営経費も同時に飛び跳ねるように嵩む訳ですが、繰り返しますが、そこに私たち霊園に従事する者の仕事ぶりの本来の真価が問われる訳でありますから、多忙であればあるほど私たちは喜ばなければならないことで、決して経費の増大も歎くことではありません。

大変な日中の暑さの中、このように墓参客が多数おいでになるときに、いかに快適な墓参をしていただけるかどうかが霊園側の腕の見せ所であります。この期間中、美原ロイヤルの管理棟内は殆ど絶え間なく墓参客様で混雑しています。久しぶりに出会うご親族や、懐かしいご友人との笑顔一杯の団らんをお墓参りと共に楽しんでいただけるのなら、私たち霊園の就業者にとっては、それこそ疲れもとれる程の喜びとなります。

 又このようなときは、私たちが直接お客様と触れ合える機会でもあります。私も12日、13日は自身で送迎バスの運転をしましたので、運転しながらお客様の忌憚の無いご意見を賜ることができました。又中には「職員さんで分けて下さい」とお菓子などを受付カウンターに持って来られる方がおられるかと思えば、構内の清掃の苦情を言って来る方や、墓の中で巣を作っている蜂を今すぐ除去せよ、と言って来る方もおられます。当方の従業員の不手際を責め立てて来るお客様もおられます。このように厳しく苦情を従業員に言って下さるお客様がおられるからこそ、私共の霊園は少しずつでも進歩向上させていただけるのだと経営者の私は感謝しています。

 さて最後は霊供養のことですが、15日の美原ロイヤル先祖供養堂での盂蘭盆供養会(うらぼんくようえ)には,入れ替わり立ち替わりではありましたが、実に多数の墓参者にご列席いただきました。この他に3つの永代供養墓にて、それぞれ供養儀式を行いました。また無縁石碑の供養も法願寺ご住職のご好意で行っていただきました。私は普段、墓地を使用される各家ご先祖代々の霊碑(れいはい)を書かせていただき、供養の祈りをさせていだいていますが、15日早朝には改めて、私が所属する「栄える会」の有志6名に手伝ってもらって、供養堂に安置された各家先祖代々の霊碑に向かって、それぞれのご冥福とこの世の棲まわれるご親族に守護の霊波を賜るようにと祈る儀式をさせていただきました。