永代供養墓の流行(2)

 前回お話ししましたのは、美原ロイヤル及び美原東ロイヤルのオリジナル企画である、一つの基台に遺骨を納める部屋を独立させて造る「集合型永代供養墓」なのですが、例えば大阪府が監督する民営霊園の中で、そういう永代供養墓を造っても、納骨室一つ一つが独立したお墓だと見なされ、普通のお墓と同じように納骨室の数の3%以上の車が置ける駐車場が必要となるのです。ですから霊園としては、いくらこの種類のお墓に人気が集まっても、駐車場の面積に限りがありますので、どんどんこれを造っていく訳には参りません。

 一昨年、平成21年の春、販売提携先の丸長様を通じて、府下の各地に葬儀会館メモリアルホールを運営され、堺東に拠点をおかれる互助会系葬儀社のセルビス様から、福祉目的で永代に渡って供養をする埋葬施設を建てる空地を貸してほしいと言って来られました。お話しを詳しくお聞きしますと、遺骨の埋葬は合葬形態で行い、埋葬された方々の霊を参拝し供養するお堂を建てる墓地を探しておられるとのことでした。私の認識では合葬という埋葬形態は未だ関西では馴染み少なく、今は寧ろ納骨堂ではないかと思い、セルビス様にはそうお薦めしましたが、自分たちは将来を見据えて事業をしたいと考えている、と反論されてしまいました。

 言うならば「建物のお墓」になりますが、そういう形態のお墓を創ることに、現在美原ロイヤルの監督官庁である堺市の了解をとって、先祖供養堂の隣地にセルビス様の永代供養堂「アマラ」を、霊園という公益財団の財産の建造物とするのを条件に建ててもらうことになりました。元々永代供養墓とは合葬式のお墓を指しまして、セルビス様のアマラもこの合葬墓には違い有りませんが、埋葬された方々の霊魂をお祀りし、故人との思い出に耽り、故人の冥福を祈って供養させていただくお堂があることが、旧来の巨大な石塔を建てただけの永代供養墓とは違うところで、その志を評価させていただいて、セルビス様と提携することにしたのでした。

 そこで私も遂に美原ロイヤルにも埋葬者の供養を考えた合葬式の永代供養墓を創ろうと思うようになりました。やはり合葬ならお墓の使用者様のご負担も大きく下げることができるのです。セルビス様の「アマラ」の竣工から少し遅れ、同年の暮れに、松原市の高野山真言宗の法願寺様と提携し、合葬式永代供養墓「法願寺涅槃陵」をウエストゾーンの奥に竣工いたしました。こちらの永代供養墓はご親族を集めての納骨式に力を入れ、その式の費用をこのお墓の申込み費用にセットすることにいたしました。年に4回、法願寺さんが現地に来られ、読経供養をしていただきますが、その度に多数のご遺族の方がお集まりになるのを見るにつけても、造って良かったと霊園側も満足いたしております。