上海万博

前週の週末、四日間の上海(万博)・蘇州旅行から戻って参りました。生憎天候は四日間とも時折小雨がパラつく曇り空で、カラっと晴れる日はありませんでした。しかし傘を使う程でもなく、気温も24度くらいで、ずっと微風が頬を撫でてくれる気持ちよい天候でした。
  

この旅行はツアー旅行ではなく、石材輸入でお世話になっている貿易会社の社長に案内と通訳をお願いすると言った贅沢なものでした。彼は私より15歳若く、中国黒竜江省に生まれ、瀋陽大学を卒業し、北京語は勿論、日本語、韓国語を会話のみならず読み書きもできる、語学にとても才能がある人です。そんな友人がいて私はとてもラッキーでした。上海には彼の友人も多くいて、私たちの観光につきあってくれる人達が毎日何人か集まってくれるので、特に中華料理を食べるときは、大勢で注文すれば色々な料理を味わうことができますから、その点は楽しくて良かったですね。

さて万博の話に移りますが、人口13億の中国では初めての万国博覧会が、最も経済成長をとげた上海市で行われる訳ですから、入場者で溢れかえらない訳がありません。上海の市内に着いたとき、万博の1日の入場者が50万人を超え出したということがニュースになっていました。会場1時間前にゲートに着いた私たちが中に入れたのは、開場時間から35分も廻った後でした。
中に入ると入場者全員に会場内の地図が配られましたが、なんと中国語の表記しかありません。自分が見たいパビリオンの国名を中国語でどう表記するのか、知っていないとどちらを向いて歩いたら良いのか分かりません。例えば、法国館はフランス館、徳国館はドイツ館などと知っている日本人は少ないのではないでしょうか。外国人には不親切だと思いました。まあ入場者の99%が中国人ではありますが。

上海市に並ぶ看板を見れば、この万博を通じて、より良い都市、より良い生活、より深い友情をモットーにしているようですが、テーマ館での地球環境問題の扱いは、私が見る限り、漠然としたイメージの展示であって、今や13億の中国の人々の総てが今より良い生活を求めたい欲求と、地球環境の悪化の問題とがやがては激しくぶつかるという深刻な問題意識が、残念ながら感じられません。ほかに私が少し気になったところは次の2点でした。中国館の一階にある各省館の中の、少数民族と漢民族とが対立していると噂される辺境の自治区のパビリオンでは、文明の光があたって生活のインフラの近代化が進み、そこに住む人民は今や地上天国のような生活をエンジョイしている、といった記録映画が上映されていたことと、そしてもう一つは万博会場内を歩き回っている人々の多くが熟年の人たちで、若い世代の人たちの姿はあまり見かけなかったことですね。一人っ子政策世代という人たちには、このようなイベントにはあまり関心が無いのでしょうか。