顧客至上主義に立っての永代供養墓の企画変更

美原ロイヤルメモリアルパークでは、核家族化が進んで将来お墓守がいなくなる恐れがある顧客の為に、十年前に永代供養墓を創ろうと思い立ち、合祀ではない集合型という関西では珍しいタイプの、そしてタイアップしたお寺に埋葬者を供養してもらう「佛乗寺永代供養墓」を創りました。結果、発売から七、八年で完売となり、引き続いて平成21年12月に「法願寺涅槃陵(ねはんりょう)」を創りましたが、これも好調に利用者が増えて参りました。但し、こちらは世間一般の合祀の永代供養墓です。十年前には合祀でない永代供養墓を、お客様があれほど探し求めておられたのに、時代も移ったのかな、と私は感じたものです。

 一方、平成19年にオープンし、3年後に拡張をみて、ようやく全区域の工事が竣工した第二霊園の美原東ロイヤルメモリアルパークにも永代供養墓を創りました。二期オープンと共に、奥のメモワール神殿の前に造った「集合型永代供養墓」です。こちらは特定の宗派にせず、三宗派のお寺に代わる代わる来てもらって埋葬者の供養行事を行うことにいたしました。遺骨を合祀しない企画と、使用後は管理料がいらないこと、おしゃれでカラフルな石碑デザインがとても気に入られ、これも大好評の内に販売が進み、途中で増設した程でした。しかし増設しても、今月月末には一つ残らず完売となりそうでございます。

 ところが私は、美原東ロイヤルのもう一つの永代供養墓は、その販売実績を見る限り、企画を誤ったようなのです。それは関西の大手霊園デベロッパーが創った三箇所の大霊園にて企画され、テレビ広告に載せて大々的に宣伝されている永代供養墓を、私が意識して創ったものでした。販売価格もそちらの総額5万円を正直強く意識いたしました。これだけ福祉目的的な価格にすれば、きっと同じくらい多量に使用者が集められるだろう、と思ったところ、その期待は大きく外れました。この人真似の企画が、霊園、美原東のお客様が求められるものと違っていたのだ、と思うしかなく、企画や販売政策を根本的に見直すしかありませんでした。

 私が企画をやり直さなければならないと決定的に思わせられたのは、昨年暮れに販売が振るわない、この永代供養墓のチラシを、両霊園の墓地使用者に送ってみたのに、何の反響も得られなかったことからでした。私の知人が言いました。この永代供養墓だけは従来の埋葬者の供養を考えてきた霊園が発想したものとは思えぬ程異質だ、と。又別の知人は、5万円払うだけで永代に心を込めて供養しますって、その言葉のままに信じる人はいるだろうか? 5万円は5万円の供養だろうって、・・・と厳しい意見を言ってくれました。

 そこで私は気づきました。合祀墓と独立した集合型のお墓とは、どうやら違っていて、合祀墓に埋葬されるなら、決まったお寺さんにきちんと供養されたい、と思うのが、そして合祀よりもできれば個別に納骨されたい、全く知らぬ人の遺骨の下敷きにはなりたくない、というのが人情ではないか、と。そこで骨壺のまま、納骨室に一年間保管の後、埋葬室にアルミ製の円筒を立てて並べ、埋葬者お一人お一人の骨壺の代わりにさせていただき、付近の浄土真宗のお寺様に供養をお願いすることになりました。勿論、お客様からいただく料金は何倍にも膨れあがるでしょうが、それでもお客様にはご納得いただけるに違いないと思い、4月から新しい企画にやりなおすことになりました。