現代霊園に変身への挑戦 その(5)

  

 美原東ロイヤルメモリアルパークが二期工事を完成させ、まだまだ小規模ながら、やっと霊園らしい姿になったのは平成22年の夏。この時期こそ、現在施行されている両霊園の墓地管理料の体系が固まったのでした。即ち大阪府様は、墓地収入に頼らず、墓地管理料だけで両霊園の運営ができるよう、聖地3千円からせめて5千円に上げるべきだと私共に強く薦めて来られていました。しかし私は規模によってハンデが違う霊園経営の都合で、例えば山林を大規模開発して、一万坪の敷地と言った大霊園で墓地を買った人よりも、小規模霊園で墓地を買った人の方が高い管理料を払わされる、ということに何か釈然としないものがありました。これでは新規に墓地を求める人は皆大規模霊園に行くのではないでしょうか。


 行政から返事を求められ、新しい霊園、美原東ロイヤルの今後の墓地購入者様には申し訳ないが、聖地5千円の墓地監理料をいただくことに決断しました。既に3千円でいただいている一期のお客様には今後の更新時から聖地千円だけ値上げさせていただくことに決しました。しかし私共のことを思っての、せっかくの監督官庁様のご提案ながら、私は元の霊園、美原ロイヤルでの値上げはしないと決断したのです。それは先の管理者の石材店が開園時に決めていた2千円から、本来管理主体となるべき私共の管理体制になって聖地3千円にするだけでも、一部のお客様とは相当揉めたことが、私の記憶から抜け切れなかったからです。


 しかし年間管理料の増収は美原ロイヤルでも図らねばなりません。そうでないと行政がおっしゃるように永遠に墓地代収入をあてにしなければ運営できない霊園になってしまうからです。墓地があらかた売れてしまうと運営ができなくなってしまいます。私は悩んだ末に次のように考えました。ここは宗教法人らしく、経費が嵩む夏と年末、つまり多くの墓参客で霊園がごった返し、供養行事の案内や、送迎バスの増便や、駐車場を整理する警備員の費用が増大するこの二つの時期に、お客様お一人から任意で千円ずつ臨時にご寄付いただくよう、霊園から伏してお願いしてみようと思ったのです。但しこれが実際に実行されたのは半年遅れの平成22年の年末になりました。


 美原の臨時墓地管理料は任意の請求ですから、もしかしたら殆どのお客様に横を向かれてしまうかもしれないと心配してしたところ、大半のお客様が私共の経営の実情を理解していただいたようで、快く郵便振り替えで送って下さったり、墓参時に霊園管理事務所まで足を運んで持参下さいました。この臨時管理料の納入率こそが、快い墓参をしていただけるように務めさせていただいている日頃の私共の霊園管理の仕事を評価するバロメーターだと感じています。貴重な財貨を私共の為に提供下さるお客様のご愛念には本当に本当に感謝です。

(画像は昨年、カタログ作りの為にモデルさんを使って美原ロイヤルを撮影したもの)