団塊の同窓会

前週4日日曜日、奈良市西郊の田園地帯にある市立伏見中学校の昭和38年卒業生の同窓会が、学園前の和食レストランK店にて開催され、27名の団塊の世代が集まりました。
12年前に始まり、3回目からは2年に一度にしましたので、今回で8回目の同窓会です。第3回の平成8年には東京やら山梨県やらと遠隔地からも集まり、70名もの同窓生が鍋を囲んで4時間も話し込む大宴会となったこともありました。
この中学校の多くの同期生は地元の市立小学校から上がって来た人達ですが、私の場合は幼稚園から高校まである私立の学園にいながら、6年の終わりにお試しで受けた教育大付属入試に見事失敗したことから、そのまま中学校に上がれば幼なじみの中でずっと劣等感を抱いておらねばならぬ気がして、それなら新たな環境でリベンジしたいとこの中学校を選んだのでした。 今でも覚えています。それは私の小学校卒業式での校長の訓話でした。私達団塊の世代は、受験、就職、結婚と生涯競争から逃れ得ず、結婚にしても、年上の男性と結婚したい女性の4人に1人は相手がなく、また年下の女性と結婚したい男性の4人に1人は相手がないのだ、と脅かされました。しかし私達の世代はその殆どがなんとか結婚し、子孫を残して参りました。もしかしたらその分あおりを食らった世代が上や下におられたのかもしれませんが。

この伏見中学校も学生には学業での競争心をよく煽ってくれました。学年で10位に入る中間、期末試験の成績優秀者を朝礼で表彰し、3年生になれば正規の授業が終わってから、成績別に分けたクラスでの進学の為の補修授業を強制しました。そんな進学偏向の学校だったにも関わらず、生徒達は学業に励みながら、それぞれの青春を大切に考え、何か自分が好きなことひとつに集中して青春の思い出作りをして来ました。だからただ漠然と漫然と中学時代を送った人は、この中学校では大変少なかったように思います。
 そして私達団塊の世代もいよいよ来年で停年の年を迎えますが、この同窓会に集まる卒業生は、生涯現役の独立自営の人が多いのも特徴です。中学校の3年間、学校はともすれば高校や大学への進学の為の勉強を奨励したけれども、結局人生の成功は学歴などとは無縁であって、それよりもそれぞれの人生の中で与えられた時間や境遇を、精一杯大切にしながら、何かに、それを社会的使命とでも言えば良いでしょうか、そんな何かに全身全霊で励んできた人達にだけ天が与えるのではないかと思う程です。この同窓会に集まる人々の顔は、皆自信に満ちています。自分の力は当てにしても所属する組織に頼る気持ちなどは無いから肩書きを書いた名刺を配る人もいないし、成功への道程では結構辛酸も舐め、他人の痛みが分かるだけに家族の自慢をするような人もこの同窓会にはいないのです。
伏中38会、本当に素晴らしい同窓会です。