新年を迎えて

 2011年、平成23年が明けました。景気の先行きが不透明な中、昨年から霊園美原東の第二期造成という積極的な設備投資に踏み切り、しかも引き続き同霊園管理棟ビルの新築に向かわねばならない私には、どちらかと言うと重苦しい緊張感ある年越しでした。先ずは元旦のお話からいたしましょう。職員が全員休んでいる元旦の花売りは、例年の如く経営者である私の仕事。今年も元旦の早朝は管理棟での日常業務を開始する前に、お正月用に飾られた二階の神殿で、神がお創りになった實相の世界を観ずる瞑想行、神想観を行いました。いつも集まって下さるお仲間も元旦ばかりは集まりにくかろうと一人でする元旦の早朝行事かと思いきや、今年は羽曳野からH氏が来てくれました。

 神想観は、お正月に相応しい「大日本神国観」をゆっくりと時間をかけて行いました。二千数百年連綿と継承して来られた累代の天皇陛下を中心者においた日本国実相の曼荼羅(まんだら)を瞑想する神想観です。大和の建国理念を引き継がれた天皇という中心者に総ての国民が帰一するという国体理念は、まさに實相世界の姿を象徴的に表す金波羅華(こんぱらげ)の花の形であります。こんなに素晴らしい国に生まれた喜びを噛みしめ、感謝の念を深めながら、敵味方無く全ての全てへの感謝の念の中に「私」を消して行きました。長い神想観の後、私をとりまく人々の実相顕現を(人の迷いの心で歪んだ現象世界に神がお創りになった善一元の完全円満なる実相が現れるように)願って10分間「実相円満誦行(しょうぎょう)」を行いました。

 早朝行事を終え、H氏が帰った後、管理棟の扉を開け、国旗を掲げました。生憎空は曇天で大阪湾から風が吹き込む寒い元日で、墓参のお客様の姿が霊園内に目立ち始めるのは10時を回ってのこと。朝の9時前にはご先祖の墓参りを済まされ、家族揃って神社仏閣に初詣に行かれたのは昔のことになりました。年末からお正月に向けて花の卸値が上がり、加えてお墓の花も松、笹、南天に金色に塗られた柳で飾られるために更に値段が上がって、私共の霊園では一対2500円と普段の倍の値段になってしまいます。数量限定の先着順ですが、神社参道などにて2千円で売られる「皇室カレンダー」を、お花を購入下さった方に毎年プレゼントしています。今年は2日のお客様までなんとかカレンダーが当たりました。

 お正月が終わり、管理棟の二階の窓から霊園構内を見ますと、どのお墓にも新しい花が供えられています。この内の二割弱が霊園から買って下さったお花です。昨年より1割強の伸びです。それにしても年末年始に殆どのお墓にどなたか参る方がいらっしゃったことを示しています。きっと各家のご先祖様も天上から喜んで下さっているはずです。そしてその喜びは、またこの地に民営霊園を造らせていただいたことが、このように地域の方々のご先祖供養のお役に立ったという私たちの喜びでもあります。

(四枚目の画像は本日1月6日に撮影したもの。)